「各務原市は自衛隊基地があるからお金持ち?」を考える ~防衛省からの補助金の推移~

各務原市は自衛隊があるから「財政が豊か」だと、他の市町の方々から言われることがあります。「本当にそうなのか・・・」を考えてみましょう。

次のグラフは令和元年度から令和4年度の各務原市への防衛省などからの交付金や補助金の推移です。令和3年度は市役所庁舎建設に対しての補助金④が多くもらえたので、防衛省などからの資金は合計で約19.9億円でしたが、例年では10億円前後です。

自衛隊基地がなかったとしたら、市の収支はどうなるのか?

各務原市の可住地面積は約69.53㎢(都市構造可視化計画ウェブサイトによる)、自衛隊岐阜基地(以下、「基地」という)の面積は約3.99㎢で計算します。

次の表は、仮に「基地」がなくて、その土地を住宅や商業・工業・農業などに使われ、人が住んだ場合の各務原市の『歳入』と『歳出』の理論上の計算金額です。各務原市の可住地面積と「基地」の面積の比率、令和4年度の決算額から計算してみました。

あくまでも単純計算によると、もともと「基地」がなくて、土地がすべて民間活用されたと仮定した場合、税収や国・県からの資金、市民からの負担金など、防衛省などからの資金以外の現状歳入より約34.0億円の収入が増えることになります。

これに対して、仮に「基地」がなくて、その土地に人が住んでいたとすると、道路や排水路の整備、学校や福祉センターのような様々な施設の建設やそれらのメンテナンスなど、市が負担しなくてはならない整備・維持の費用が、現状より約32.5億円多く必要になります。

令和4年度の防衛省などからの資金の合計は、約9.3億円です。これに対して、「基地」の土地が民間利用された場合の計算上の各務原市の収入の差引増加額は、約1.5億円となり、「防衛省などからの資金の方が約7.8億円多い」ことになりました。(上記金額は令和4年度の場合)

このことに加えて、「基地」があったから生まれた産業や、それに伴う雇用や人口があったことを考えると、やはり各務原は『自衛隊のまち』といえるのではないかと思います。

 

 

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