各務原市 浅野新市長の所信表明の全文

少し遅くなりましたが、今議会の初日に、この度新市長になられた浅野市長の所信が述べられました。

読みやすいように要約しようとも思いましたが、やっぱり一言一句掲載します。

タイプするの結構たいへんでした・・・

以下、所信表明の全文—–

この度の選挙を通じまして、数多くの市民の皆さまの方の生の声を直にお聞きするとともに、各務原市を今以上に良くしていこうという「志」や「熱い思い」に触れ、改めて感銘を受けたところでございます。同時に、15万市民の皆さま方から各務原市政の運営を負託されることになりまして、市民一人ひとりの期待と市長としての責任の重大さに身が引き締まる思いでございます。

さて、私が政治家を目指し、そして市長になろうとした原点は、中学3年生の時にあります。私が「市長ってどんな仕事をしているのだろうか。」と質問したときに、その答えは「市長は大変な仕事。私たちの将来を、この街の未来を担っていく仕事なんだよ!」というものでした。私はその時に、「この各務原市をもっと楽しい、笑顔あふれる街にしたい!」と決意し、政治家になることを志しました。私は、この少年期の「思い」と28才の時に市議会議員に初当選した時の「決意」を持って、新しい各務原市のために、私の持つ全てを捧げる覚悟でございます。

私は、各務原市長として、市民の皆さまからの負託にお応えをし、我が街‐各務原市‐の更なる発展のために全力を尽くして参る所存でございます。市民の皆さま、企業の皆さま並びにそれらを代表される議会の皆さま方のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。どうかよろしくお願いします。

さて、今わが国は、本格的な人口減少時代と超高齢化社会が到来し、独居高齢者、核家族化、共働き、子育て不安など、解決しなければならない課題が山積しております。あわせて、1990年代初頭以降の慢性的な需要不足の継続による「失われた20年」といわれる構造的なデフレ体質により、経済成長は低い水準で推移しています。同時に、年金・医療・介護等の社会保障経費は、年々増加している状況です。国と地方を合わせた債務残高は1,000兆円に迫ろうとしており、国のプライマリーバランスの黒字化の目処は未だ立っていない状況であります。わが国の財政状況は極めて危機的な水準にあります。

阿部政権は、いわゆる「アベノミクス」において、①「大胆な金融政策」、②「機動的な財政運営」、③「民間投資を喚起する成長戦略」の3つの基本的方針を掲げながら、さまざまな政策を打ち上げ、デフレ経済からの脱却を目指してきております。

また、地方に向けては、地域主権戦略大綱(平成22年6月閣議決定)に基づき、「地方からの新たな提言等も踏まえて基礎自治体への法令による一層の権限移譲について検討を行う。」とし、県から基礎自治体への権限移譲はさらに進むものと考えられます。さらに、道州制基本法案及び道州制推進基本法案が国において議論されており、これが成立すれば、道州制国民会議が設置され、内閣総理大臣の諮問を受けた日から3年以内に答申があり、さらに答申があった場合は、2年以内に法制整備が義務づけられてきております。

地方自治体は、平成の大合併を乗り越え、血のにじむような行財政改革に取り組んでまいりましたが、さらに国は財政難を克服するため、地方交付税、国庫補助金、あるいは社会保障における地方負担など、国を挙げた行財政改革は、一旦スタートすれば急速に進んでいくものと想定されます。これは、確実に地方財政の変革を強いることとなり、まさに、ちほうの意思が試されることとなります。

さらに、少子高齢化、核家族化、人口減少、高齢世帯の増加、引きこもり、ニートの増加、不登校、希薄化するコミュニティなど、メンタルな社会問題を抱える中、社会保障制度の大幅な改革が行われようとしています。市民を取り巻く環境は、まさに切実であり、将来への不安を抱かれている方も少なくありません。このような不確実な社会経済状況のもとで、市民の皆さまが幸せを実感できる社会を築き、また将来の各務原市を担う子どもたちに確かな夢を持てる街にしていくことが、私の「使命」ではないかと考えております。

私、浅野健司の原点は、自分のふるさと各務原市に対する「夢」であり、それを実現するための熱い「思い」であります。私は、市民一人ひとりが、それぞれの目的や夢を持って、主体的に人生を謳歌し、幸せを実感できる「街」が理想であると考えます。「市民が幸福を実感できる」まちづくりのため、①「誇り」と、②「やさしさ」と、③「活気」の3本の柱で、ハード・ソフト両面から全力で取り組んで参ります。

私は初めに、これら3つの観点から、事業を総点検し、市民との「対話」、市場調査による市民ニーズを把握し、今後10年間を見据えた総合的な計画を議会の皆様とともに策定して参りたいと存じます。施策の展開に当たっては、年次計画を策定し、着実に実施し、その成果を議会、市民の皆様にお知らせしたいと考えております。また、あわせて着実な事業実施のため中期財政計画を策定し、財源を見通し、事業の進捗を担保するとともに、全国有数の健全財政を引き続き堅持して参ります。

私が推進して参ります、まちづくりの3つの柱をお示しします。

一つ目の柱は、「誇り」・・・“新しい人づくり・地域づくり”です。

各務原市が誇る歴史・文化・自然を活かした教育環境づくりに取り組みます。また、地域を守る消防団などボランティア的な市民活動員の確保と、行政と市民との協働による地域安全の向上に努めます。さらに、生涯スポーツによる全市民の健康づくりと施設の充実を図ります。

二つ目の柱は、「やさしさ」・・・“新しい安心づくり”です。

子どもを守るための通学路安全確保の向上と公共施設の100%耐震化を実現します。また、お年寄りや障がい者の方々が元気に暮らせる福祉環境の構築と交通弱者対策に取り組みます。さらに、全国有数の財政体力の維持向上を図り、次世代に負担を残さず、行政の大変革にも耐えうる財政運営を堅持します。

三つ目の柱は、「活気」・・・“新しい元気づくり”です。

市民の生活を支えているのは、多くの市内企業です。情報共有や意見交換のを創設しつつ、元気な企業を支援する仕組みの構築に取り組みます。また、NPOや市民活動団体との連携を進めながら、市民や地域の担い手が自由な発想で主体的・積極的に街づくりに取り組めるような支援策を強化します。さらに、公共施設や道路などの公共インフラについて、経済効果と投資効果を考慮し、機能の高い都市空間の創造と環境美化の充実と単なる維持管理だけではなく、便利で使い勝手の良い施設にするためのリフレッシュリニューアル事業を推進します。

以上、私が目指していく街づくりの方向性の一端について、述べさせていただきました。

私は、この3つの柱の実現に向けて、さまざまな世代の市民との「対話」を大切にし、勇気と情熱をもって果敢に取り組んでいくことが最も肝要であると考えております。そこで私は、

  1. 若者の声を聞きます(若者のアイディアを!)
  2. 子育て世代の声を聞きます(子育て世代とともに!)
  3. 高齢者の声を聞きます(高齢者の知識と経験を!)

の3つの「対話」により信頼を獲得してまいります。「対話」を通じて、広く皆さんからのアイディアを最大限に有効に活かしながら、夢ある未来のために、“市民の、市民による、市民のための市政”を実現してまいります。

さまざまな世代の市民の皆様との「対話」を通じて皆さんの声を聞き、3つのビジョンをご理解いただき、また、これらを実行するために、私は、市議会議員3期12年の実績と信用を糧に、持ち前の若さとバイタリティー(粘り強さ)と勇気と情熱を原動力として、誠心誠意努めて参る所存でございます。私の目指すまちづくりは、市長一人で成し得るものではありません。議員各位並びに市民の皆さまのご理解と力強い協力が不可欠でございます。私を先頭に、副市長以下市執行部一丸となって市政に積極的に取り組み、市民の皆さまから確固たる信頼と信用を得てまいりたいと考えております。どうか、今後とも、闊達なご議論とご助言賜りますことを心よりお願いを申し上げまして、私からの所信の挨拶とさせていただきます。

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